介護業界の人手不足は、これから社会全体の高齢化が進む日本にとって、深刻な問題です。
具体的には、2025年に団塊の世代が後期高齢者になり、社会保障費が増大することが問題視されている「2025年問題」などがあります。政府は、これらの問題の対策として、介護職から離職した人、新規に就職する人向けの支援や、離職を防止するために業界全体の改善などを行う案を打ち出しました。
まず、離職した人向けに、再就職の際に使用する準備金の貸付を行います。貸付は、1年以上介護職員として働いた経験を持つ人にのみ行い、その後2年間介護職員として働けば、返済は全額免除されます。準備金の貸付のほかには、福祉人材センターに介護業界から離職した人の氏名や住所を届けるシステムを新設し、再就職したい人に向けて、職場体験や求人情報などを提供する再就職支援もあります。
次に、新規の人材を獲得するため、介護福祉士養成施設の学生などを対象に学費の貸付を行うことになりました。一定の期間内に福祉か介護職に就き、5年間仕事を続けることで、資金の返済が全額免除となります。学生以外には、介護ボランティアを行う50歳から64歳の中高年齢者を対象に、介護業界で働くための研修や職場体験を実地しています。
また、既に介護職員として働く人の離職を防止するために様々な対策が練られています。例えば、子育てをしながら働く人向けに、介護施設や事業所内に保育施設を開設したり、保育施設を運営、整備するための支援を行います。
ほかにも、介護の現場で働く人の負担や介助人の人数を減らす為介護ロボットの導入を支援したり、キャリアアップのために研修機関の開設を支援するなどの取り組みが実地される予定です。