国が打ち出した対策とは

介護業界は、人手不足が叫ばれて久しいですが、実際には介護職員数は右肩上がりで増加しています。

ところが、介護が必要な高齢者も同じく右肩上がりなので、人手が足りない状況に変化が見られないのです。それに加えて、介護業界は求人をかけても応募者が少なく、採用が困難な状況だという事業所が多いようです。求職者から見ると、介護職は賃金が低く、精神及び肉体的にきつい仕事であるという認識が高いために、応募を躊躇する人が多数います。

人手不足を解消するための対策は、第1に賃金アップを図っていく必要があります。そこで、国では少しでも介護離職を防ごうと、月額8万円相当の賃上げを行うことを、2017年12月8日に閣議決定しました。ただし、これは勤続10年の介護福祉士に限ります。また、国から事業所に8万円が支給されてから給与が決められて介護福祉士に渡る形なので、8万円全額が支給されるとは限りません。

他に政府は、14億円を修学資金貸付制度に充てることも決めました。これは、介護福祉士の養成施設に入学時と卒業時に20万円、通学している間に5万円、さらに受験対策費として4万円を借りられる制度です。この貸付金は、介護福祉士の資格を取得して、5年間介護職に就けば返済が不要です。

それから、2016年11月に入管法が改正され、外国人が介護職に就けるようになりました。介護福祉士の資格を取得すれば、ビザの許可が下ります。そのため、養成施設に通って、資格取得を目指す外国人が増えています。国ではこのような対策を打ち出していますが、すぐに人手不足が解消されるわけではないので、事業所や現場の職員も色々と対策を考えることが大事なのかもしれません。